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ショップ店員が使う英語「How can I help you?」

女性がショップで働いている様子

 “ビジネス英語”と一括りに言っても、オンライン英会話ガイドのビジネス英会話フレーズで紹介するものは、“仕事上で良く使われるビジネス英語”ばかりに焦点を当てているのですが、ここでは少し仕事の幅を広げてみて、留学やワーキングホリデー中に使うかも知れない、“とても身近なビジネスイングリッシュ”を紹介してみたいと思います。

 留学やワーキングホリデーに出かけられる方の中には、「短期間のアルバイトを経験してみたい」と考えられておられる方もいらっしゃると思いますが、そんな多くの留学生やワーキングホリデー参加者が留学先で働いている場所と言うのは、“レストラン”や“喫茶店”と言った飲食店、それに“衣服”や“”を販売している一般的に“セレクトショップ”と言われるお店です。

 そう言ったお店で働く事になると、当然のように使うようになるのが、ここで紹介する「How can I help you?」と言うフレーズになります。

 ビジネスイングリッシュレベルまで英語を学習された方にとって、「え?そんな簡単なフレーズを今更学習するの?」と思われるかも知れませんが、この「How can I help you?」は意外なことにも“奥深いフレーズ”で、勘違いして使っておられる方も沢山いらっしゃるフレーズでもあります。

 そこで、これから「海外でアルバイトをしよう!」と考えておられる方がいらっしゃいましたら、“復習”の意味も込めて、留学・ワーホリ前に今一度学習しなおして頂ければと思います。

「How can I help you?」の解説

 まずは「How can I help you?」の訳について紹介していきたいのですが、「How can I help you?」は御存じの通り、「ようこそいらっしゃいました、ご用件は何ですか」と訳される事の多いフレーズですが、単に「Can I help you?」とする事で、「いらっしゃいませ」のように翻訳されているケースも有ります。

 しかしながら、海外で生活をしたり留学に出てみると分かるのですが、実は、英語では日本語のようにお客さんが来店した際にかける「いらっしゃいませ」に相当するようなフレーズは有りません。

 この話をすると、「え?」と驚かれる方や、「店員さんに“Can I help you?”と言われましたよ」と反論される方もいらっしゃるかと思いますが、例えば、レストランに入った瞬間に、日本のように厨房にいる料理人(コック)やウェイター(ウェイトレス)から一斉に「How can I help you?」や「Can I help you?」と言った“掛け声”は飛んでくる事は無かったはずです。

 そうなんです。実は、「How can I help you?」や「Can I help you?」を「ようこそいらっしゃいました」や「いらっしゃいませ」と訳しているのは、少し強引すぎるところがあるんですね。

 実際には、やはり直訳に近い解釈で「How can I help you?(どのようなご用件ですか?)」や「Can I help you?(何か手伝いまでしょうか?(お探しですか?))」と言ったニュアンスで考えておかないと、仕事中に思わぬトラブルに巻き込まれてしまう事も有ります。

「いらっしゃいませ」の考え

 日本で接客中に使う「いらっしゃいませ」と言う表現は、英語で言うと「Welcome(ウェルカム)」に近い意味合いを持っているのですが、店にお客さんが入った瞬間に「Welcome!!」と言うのは、かなり違和感が有るため正直使わない方が無難です。

 そこで、「Can I help you?」を「いらっしゃいませ」の代用の様にして辞書や英会話本などで紹介しているのですが、先ほども紹介したように、「Can I help you?」や「How can I help you?」は、どちらかと言うと、お客さんが何か探し物をしている時に「何かお探しですか?」と言った感覚で使われます。

 そのため、「Can I help you?」や「How can I help you?」の前に、簡単なグリーティング(挨拶)を挟み、「Good evening. Can I help you?(こんばんは。何かお探しでしょうか?(お手伝いする事は有りますか?))」とすることで、かなり“プロフェッショナル”な接客表現に聞こえてきます。

英語での接客の基本はタイミングを掴む事

 ショップやレストランによって、接客方法は大きく異なるのが普通ですが、基本的に欧米系のショップやレストランで働く際に、お客さんへと話しかける時にはタイミングが命です。

 例えば、タイミング悪く「How can I help you?」と話しかけても「No」と、一言であしらわれてしまう事は良く有ることです。

 特に欧米の方が来店された場合には、そばでジッとお客さんの行動を観察した上で、一瞬商品から目を離し「他の商品は無いのかしら?」と考えているタイミングで声を掛けると成功率は格段に上がります。

「How can I help you?」だけでは無い

コールセンターのイメージ

 次に、ショップ店員やレストラン店員などが使う、他のフレーズについても一緒に紹介してみたいと思います。

 まずは、「How can I help you?」を「can ⇒ may」と言う風に変更して、「How may I help you?(どのようなご用件ですか?)」とするフレーズです。

 この「How may I help you?」と言うフレーズは、日本語訳をしてしまうと「How can I help you?」と同じ訳になってしまいますが、「How may I help you?」の方が「How can I help you?」よりも丁寧なイメージを相手へと与えます。

 そのため、海外でコールセンターに電話を掛けた際や、少し高給なホテルのフロントで電話を掛けた場合には、ほとんどの場合「How may I help you?」と言う応対を受ける事になります(もちろん「May I help you?」も同様です)。

 他にも、「How may I assist you?(どのようにお手伝いしましょうか?)」と言った表現も使われる事があるので、海外の顧客を相手にする場合には是非覚えておきたいフレーズと言えます。

レストランなどで注文を受ける際に

 次に実践的に、「How can I help you?」の代わりとして良く使われる表現として、「What can I do for you, today?(今日は、どう言った物をお召し上がりになられますか?)」と言ったフレーズが有ります。

 直訳すると、「あなたのために私に何ができますか?」と言った意味なのですが、ニュアンス的には、席に着いたお客さんに対して簡単な挨拶を済ませた後に使う事で、注文や料理などについての質問を受ける事ができます。

聞き取りにくい「How can I help you?」

 「How can I help you?」だけでは無いのですが、こう言ったショップ店員が話す英語と言うのは、時折、“非常に聞き取りにくい”場合が有ります。

 実は、その理由と言うのは発音の方法に有って、「How can I help you?(ハウ キャン アイ ヘルプ ユー)」とキッチリ発音をするネイティブスピーカーは稀で、実際には「ハウ キャナイ ヘルッ ヤ?」と言うケースが多いためです。「聞き取れない」と悩まないでくださいね!

オーストラリアの少し笑える接客 ※追記

 オーストラリアでは、接客の際に少し笑えてしまうかも知れませんが、大概の事が「Good day, mate.(グッダイ マイト)」「Cheers, mate.(チアーズ マイト)」だけで片付いてしまいます(笑)。

 オーストラリアで接客業をするならば、この2つのフレーズを知っているだけでガンガン働けてしまう(?)と言っても過言では無いのですが(笑)、例えば、店にお客さんが来た場合、「Good day, mate.(今日は良い日だね:いらっしゃい)」と挨拶をし、お勘定を済ませたお客さんには「Cheers, mate.(ありがとう)」と表現する事が可能です。

 この「Cheers, mate.」は、「軽いありがとう」を意味する表現ですが、別れ際に「Cheers, mate.」と使う事と意味が変わり、「さよなら」と別れを相手に伝えたい場合にも活用される魔法のようなフレーズです。

 つまり、お勘定を済ませたお客さんに「Cheers, mate.」を使う事で、「ありがと、またね!」と言ったニュアンスを相手に伝える事が可能になります。

 しかし、この「Good day, mate.」や「Cheers, mate.」と言う表現は、噛み砕いた方言と言える言葉なので、“高級レストラン”や“高給ブティック”等では、相手と場所の空気を読みながら使う事が必要になります。

 また、基本的に両フレーズとも「男性用フレーズ」となるため、女性の方から「Cheers, mate.」と言われてしまうと、きっと驚くお客さんもいらっしゃると思うので、注意をして頂ければと思います。

 ※ オーストラリアでは“Ta(タ)”と言う表現も“Thank you”の代わりとして使われる事があるので、留学生やワーホリ参加者が接客時に使うと喜ばれる事も多いので、オーストラリアに行くならば頭の片隅に入れておいてください。

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