「could you」と「would you」は本当は違うトップイメージ

「could you」と「would you」は本当は違う

音楽が鳴り響いているイメージ

 英会話中級レベルの方になると、細かいニュアンスの違いなどが気になり始め、「AとBは同じ意味だって学校では習ったけど違いはあるの?」と言う疑問を持ち始めます。

 そんな英語中級者の悩みとなるフレーズの1つが、「Could you ○○?」と「Would you ○○?」となるでしょう。

 「Could you ○○?」と「Would you ○○?」と言った表現は、中学や高校時代に習う時には「全く同じ意味を持つフレーズ」だと教わるのですが、実は、本来の意味(ニュアンス)は少し異なっています。

 「Could you ○○?」と「Would you ○○?」が同じ意味のフレーズとして教えられる原因としては、受験用の英語としては「両者は同様の意味」と覚えておかないとテストの点数に響く事と、その英語を教えている講師自体が両者を“全く同じ意味だと思っている”事が挙げられます。

 しかし、実際には「Could you ○○?」と「Would you ○○?」は微妙に違うニュアンスで使われるため、英語を仕事で使うような方になると、大きなミスを犯してしまう危険性も有ります。

 そこでここでは、この「Could you ○○?」と「Would you ○○?」の両社の意味の違い、ニュアンスの違いについて言及してみたいと思います。

「Could you ○○?」と「Would you ○○?」の成り立ち

 まず「Could you ○○?」と「Would you ○○?」の成り立ちについて紹介していくところから始めたいのですが、「Could you ○○?」と言う表現は「Can you ○○?」から派生して、それを更に丁寧にした表現となり、「Would you ○○?」もまた「Will you ○○?」から派生し、それを丁寧にした表現となります。

 英語では丁寧な表現を作る際、日本語のように「です・ます」と語尾を変化させる形式たり、「相手との距離間(上下間)」を示す事で丁寧にするのでは無く、「時間に差」を与える事で丁寧な表現を作ります。

 そのため、今回の「Could you ○○?」と「Would you ○○?」のケースについても、「can」や「will」を過去時制に変更して、「could」や「would」とすることで丁寧な表現を作っています。

 しかしながら、「could」や「would」と過去時制を用いて丁寧な形にしたからと言っても、元々は「can」や「will」ですので、その“元となった単語のニュアンスは失われておらず”、例えそれが日本語訳をすると「~してくれませんか?」と言う“同じ訳”になったからと言っても中身(相手に与える印象)は全く違ってきます。

「Could you ○○?」と「Would you ○○?」ここまでのポイント

  • can ⇒ 丁寧な表現 ⇒ 過去時制 ⇒ could ⇒ 「can」の要素を受け継いでいる
  • will ⇒ 丁寧な表現 ⇒ 過去時制 ⇒ would ⇒ 「will」の要素を受け継いでいる

 そのため、「Could you turn off the music?」と「Will you turn off the music?」は、どちらも日本語訳をすると「音楽を止めて頂けませんか?」と言う訳になりますが、中身(ニュアンス)が違ってくる事になります。

日本語での丁寧な表現は複雑

 余談ですが、日本語の場合、相手との“距離”を意識させる事で日本人は自然に敬語を作っているのですが、例えば、相手を立て「自分からは遠い人物だ」と相手に意識させる言葉が敬語になります。

 これは、「“権力の有る人物から自分に災いが及ばないように”、相手に自分との“距離”を意識させる事にしたのが始まり」と言う説も有るそうですが、“日本人の知恵は凄い”と感じる一瞬ですね。

「could you」と「would you」が持つ意味の違い

Would you marry me?

 「Could you ○○?」と「Would you ○○?」の成り立ちについて知って頂けたところで、いよいよ本題となる「Could you ○○?とWould you ○○?の意味の違い」について紹介していきたいと思います。

 この両者の意味(ニュアンス)の違いを知るために、先ほど「could」と「would」が「can」と「will」の過去時制だと言う事を解説したのですが、御存じの通り「can」には「可能、~できる」と言う意味が含まれ、「will」には「(~する)意思がある」と言うニュアンスが含まれています。

 そのため、「Could you ○○?」と言うと「~していただけませんか?」と言うニュアンスの中には「~する事ができますか?」と言う「相手が可能かどうかを問う」意味が含まれ、「~する事は可能ですか?もし可能ならして頂きたい。」と言う事が元となっています。

 一方、「Would you ○○?」の場合は、「~していただけませんか?」と言うニュアンスの中に、「~する意思は有りますか?」と言う「相手の意思を問う」意味が含まれており、「~しても気に障りませんか?もし気にならないならして頂きたい。」が元となっています。

 つまり、根本的に「Could you ○○?」と言うと厳密には、「相手の意思を聞いているのでは無く、可能かどうかを尋ねている」ため、相手の意思は尊重されずに“遠回しの要求”と言ったニュアンスとなり、「Would you ○○?」の場合は「相手ができるかどうかでは無く、相手がする意思があるかどうかを尋ねている」ため、“遠まわしの依頼”と言ったニュアンスになります。

「could you」と「would you」の分かりやすい違い

 この「could you」と「would you」の両者の違いを明確に示しているのが、「Would you marry me?(私と結婚してくれますか?)」と言う表現です。

 「Would you marry me?」は、「私と結婚する意志は有りますか?」と尋ねるフレーズなのですが、「could you marry me?」とは置き換えられません。

 それは、「Could you marry me?」とすると、「私と結婚できますか?」と言う意味になり、相手の意思とは関係無く“結婚が可能かどうか?”を問う質問になってしまいますからね(笑)。

 また、「Could you marry me?」とすると、次のような冗談が言えてしまいます。

 男性: I love you so much,baby. Could you marry me?(君の事を愛しているよ。僕と結婚してくれないか?)
 女性: Yes, I could, but I wouldn't.(ええ、できますよ。結婚したくないですけど。)

 プロポーズの際には、是非「Could you」と可能かどうか聞くのでは無く「Would you」と相手の意思を問いかけるようにしてくださいね(笑)。

「could you」と「would you」はどちらが丁寧か?

 「could you」と「would you」について、「どちらが丁寧な表現なのか?」と言う議論は良く行われますが、基本的にはやはり“相手の意思を問う意味”を持つ「would you」を丁寧だとしておく方が無難だと言えます。

 しかしながら、英語は言葉ですので、私用される地方や社会的などにより、少し異なるケース(例外)もあると認識しておいて頂けると、英語の幅が広がっていきます。

To page top ページの先頭へ